なた豆とは莢の形が鉈(なた)や刀に似ていることから名付けられました。
その莢の形から「帯刀」(たてわき)という別名も。
その莢は大きく約40cmにもなり、形は平たく本当に刀みたい。日本刀というより青龍刀とかアリババの刀。
煙草を吸うキセルの中には、ナタマメの形に似た形のもので「なたまめ煙管(なたまめぎせる )」と呼ぶものもあります。
昔から一般的なお豆だったのですね。
一つのサヤの中に6〜16個くらいのピンク・白いお豆が入っています。
淡紅花種と白花種が有り。
熱帯アジア原産の一年草で、日本へは江戸時代に中国より渡ってきました。
●莢
有名なのは、福神漬け。スライスを醤油で漬けたものが入っています。ナタマメが多く入っている方が高級品なんですって!
白花種の方が莢が柔らかく、漬け物に適しています。これには若いサヤが用いられることが多いです。
ナタマメを育てる時に間引きしたものなどが使われます。
●豆
お豆の方は、食すのではなく(熟したお豆は毒素多し)薬として使われることが多いです。
良薬口に苦し?
種子は「白刀豆」・「刀豆(とうず)」と呼ばる生薬になります。中国でも漢方薬として用いられています。
化膿止め(江戸時代の「和漢三才図会」にも紹介されています)鎮咳薬として使われるほか、病後の栄養剤に利用されます。
その薬効は、良質のたんぱく質、サポニン、鉄分、ミネラル、ビタミン、ポリフェノール、良質の食物繊維等を含んでいて、
腎臓機能・腸管の働きを活性させ、免疫力を高めます。
体内の老廃物や有害物質を体外に排出する作用や、老化防止・生活習慣病の予防にも優れているそう。
お豆はかなり毒素が強いので、食す場合は味噌漬などに用いる場合、何度もアク抜きをしてから漬け込むのだそうです。
赤穂浪士が討ち入りの前にこのナタマメの味噌漬を食べて滋養をつけたと記されています。
花が絶えることなく咲くことから、強靭な生命力を子孫繁栄・家内繁盛の縁起物としたり、
蔓が伸びてる様から、旅立ちや出征の家族の無事帰還の縁起物としたと伝えられています。
そんな事を知ると、赤穂浪士たちが討ち入り前に食べたのも判りますね。
●お茶
最近では「ナタマメ茶」が健康食品として注目されています。
お豆を収穫した後のサヤや蔓を煎じて健康茶の原料として使用してるそう。
お茶の色は微妙に白みがかった感じ。ちゃんとお豆の味がします。
効果は、
・痔や蓄膿症、歯槽膿漏などに膿みの病気
・扁桃やのどの炎症、口内炎などに口の中の腫物
・冷え症、肩こり、生理痛など冷えの症状
・風邪、ぜん息などの咳とたん
・皮膚の湿疹、アトピー、ひふのかゆみ、ニキビ
・便秘、下痢など
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